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KAZOO HALL「風林火山-2016-」in中込

ライブレポート

 

セットリスト

  1. 変なおじさん
  2. ペリーのTuesday
  3. G.A
  4. 想いが消える前に
  5. 歌詞が全然出てこない(新曲)

 

 

登場するや否や「このオジさん、変なんです」と内股気味に歌い出す中込。誰もが知っている往年のギャグより着想を得た「変なおじさん」で一気にオーディエンスの心を攫っていく。

 

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小気味いい曲調で会場も一体となりノリノリ状態だが、曲は「変なおじさん」である。果たして志村けんはこれを見て「だいじょぶだぁ」と言うのだろうか。

 

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だっふん、だっふん、だっふんだ、だっふん!という歌詞に多分意味はない。

 

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一曲目を終えたところで幕間。この日は水分不足に苦しんだ前回の反省を活かして、ペットボトル8分目の天然水を持ってきたとのこと。なぜ満タンじゃないのか。真実は闇の中にある。

 

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MCも束の間、中込の代名詞とも言える「ペリーのTuesday」がはじまった。ペリーとは江戸時代に来航した、あのペリーを言っている。ペリーと火曜日の因果関係は不明だ。以前中込は海外の方に、この曲の意味がわからないと言われたそうだが、日本人にだってわからない。しかしこの曲を聴くと体は動き出し、心が跳ね出す!中込最高!

 

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「ペリーのTuesday」で必ず出てくるモーション。ゆっくりと両手を肩まで上げ、ゆっくりと下げる。一見すると太極拳の型に見えなくもないが多分気のせいだろう。

 

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会場に「Sunday」「Monday」「Tuesday」のコールを催促する中込。もちろんファンにはお馴染みだが、これも異様に盛り上がる。私は撮影に集中しながらも自然と口ずさんでいた。まさに中込マジック。

 

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二回目のMCに入る。写真ではわかりづらいが、この時点で汗だく。激しいパフォーマンスと熱唱の証だ。ちなみにこの時、Twitterのフォロワーが増えないことに不満を漏らしていた。ただ中込自身つぶやくのは稀で、本人も自覚があり非を認める度量も見せた。

 

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ライブも折り返しに入る。ここで持ってきたのは「A.G.A」だった。もはや言うまでもないが、男性の脱毛症の歌である。客席を揺らすイントロの重低音がはじまったと思ったら「ニコラス・ケイジ」「ブルース・ウィリス」「ショーン・コネリー」「竹中直人」という個人名を臆面もなく叫ぶ。聞いているだけで毛穴と心が解放される名曲だ。

 

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「生える、めっちゃ生える」と脱毛に悩む人の背中を押す歌詞で、老若男女の心を鷲掴みにする中込。曲はゴリゴリのヘヴィロックサウンドというアンバランス加減が絶妙で、これまた耳に残ること請け合い。

 

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中込のパフォーマンスは何も曲の中だけにとどまらない。「テンション・コントロール」という自分のテンションを一瞬にしてアップダウンさせる特技をMC中に披露してくれた。私が見るのはこれで2度目だが、変わらないクオリティで安心する。

 

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中込は手がける楽曲ジャンルの広さも売りの一つ。2015年10月14月に発表された「想いが消える前に」は心に染み渡るバラードだ。神々しい光の中で歌い上げる姿は「変なおじさん」を歌っていた時と重ならない。

 

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この曲は中込にとって生涯唯一となる(予定の)ラブソングである。この歌詞に込められた思いを推し量ることはできないが、彼にとって大切な曲なのは間違いないだろう。

 

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とうとう最期の一曲になってしまった。しかも昨日できたばかりの、出来立てホヤホヤ新曲である。なお彼の持っている紙は恩人への感謝の手紙や告知のカンペなどではない。曲が新しすぎるため自分でも歌詞を把握していないので歌詞カードを持参してきたのだ。型破り以外に彼を形容する言葉が見つからない。

 

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歌詞を思いっきりガン見しながら新曲を披露する中込。だが決して誰も彼を責めはしないだろう。だって出来たばかりなのだから。しかも曲のタイトルは「歌詞が全然出てこない」とおあつらえ向き。伝説に立ち会えた感動が胸にこみ上げる。

 

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肝心の曲といえば、本人がまさに苦悩している「今の自分」を赤裸々に歌ったものだった。歌詞のセンスがない、このままじゃどこにでもいるエンジニア(本職)だ、と魂の叫びが木霊する。このストレートな感情に今日一番のエネルギーを感じた。中込の本質に触れることができたかもしれない。

 

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ああ、最後の一曲が終わってしまう。至福の時間は一瞬なのだ。取材のタイミングで新曲を聴くことができたのは、かなりの幸運だろう。お疲れ様、心の底からそう言いたい。次のグループへバトンを託し、中込はこの日のステージを去った。

 

 

…一体何度笑っただろう。カメラがブレてしょうがない。この笑みは決して嘲りではなく、純粋にエンターテイメントを楽しむ心から生まれたものだ。中込が全身全霊で作り上げたステージから目を離すことができなかった。

 

人は彼を道化のように見るかもしれない。しかし真に優れた表現者とはコンテンツに縛られず、あらゆる手段で思いの丈をぶつける人ではないだろうか。

 

中込が放つエネルギーは会場を席巻し、人々の魂を震わせた。ミュージシャンとして、彼が正攻法でないことはわかっている。むしろミュージシャンという括りで単一的にまとめてしまうのは憚るべきだ。

 

その枠組みに囚われない彼は、これからも斬新なアート活動で我々を魅了し続けていくことだろう。ありがとう中込。ありがとう中込!フォロワーが増えるといいね。

 

 

ということで、今回のインタビューとライブレポートを通じて中込に興味を持った方。是非iTunes Storeから曲をダウンロードしてみてください。現在二つのミニアルバムが販売中です。中身を一言で表すなら…「鍋」です。本当、鍋みたいに色んな材料が詰まったアルバム。聞いているだけで幸せな気持ちになれます。

 

中込HP

http://bandnakagomi.com/wordpress/

 

中込の楽曲はこちらから!

iTunes Store

https://itunes.apple.com/jp/album/biannaojisan-single/id702829794?ign-mpt=uo%3D4

https://itunes.apple.com/jp/album/a.g.a-ep/id527796026?ign-mpt=uo%3D4