和紙を通した柔らかな光が魅力的な提灯は、日本の伝統的な照明器具であり、長い歴史を有しています。その歴史は室町時代にまでさかのぼり、当時の絵巻にも提灯を手に持つ人々の姿が描かれているところです。江戸時代には、庶民も含め、生活の中の灯りとして確固たる地位を築きました。現代においても演出力の高い間接照明として根強い人気を誇っています。洋風のランプシェードなどと違って、和室にも合うのが嬉しいところです。

一方で、提灯に関心は持ちつつも日常の暮らしの中に取り入れるのは難しいと考えている方もいらっしゃると思います。そのような方におすすめしたいのが、茨城県水戸市の鈴木茂兵衛商店で展開しているSUZUMO提灯です。

 

 

水戸市は、八女市、岐阜市とともに日本三大提灯産地のひとつに数えられており、同市で製造される提灯は「水府提灯」として茨城県の伝統工芸品に指定もされるなど、高いブランド力を誇っています。鈴木茂兵衛商店も慶応元年の創業と長い歴史を積み重ねている老舗企業です。同社では、水府提灯の伝統的な製法を守りつつも現代のライフスタイルでも活用可能なSUZUMO提灯を展開しています。2012年には日本有数のデザイン賞であるグッドデザイン賞を受賞するなど、高い評価を得ている逸品です。

SUZUMO提灯の最大の特徴は、光源にLED灯を採用しているところです。伝統的な蝋燭を光源とした提灯の場合は火の始末が悩みどころでしたが、LED灯を採用したことによってこの悩みが解消され、通常の電気照明と同じように取り扱うことができます。アダプターの代わりに乾電池で点灯することもできますので、廊下などのコンセントのない場所でも気軽に設置できるのも嬉しいところです。蝋燭の独特の揺らぎを再現したLEDですので、提灯ならではの風情も味わうことができます。

また、音センサーによるオンオフ機能がついていますので、例えば、玄関先に置いておくと、暗い中でスイッチを探すことなく手を叩くだけで灯りを得ることができます。トイレにつながる廊下に置くのもおすすめです。夜中に寝ぼけた状態でトイレに行く際も簡単に足元を照らすことができますし、蛍光灯の強い光で目がくらむこともなくなります。

形状についても、現代のライフスタイルの中に違和感なく溶け込むデザインになっています。花の蕾のようなものから、壺型など、様々なバリエーションがありますので、部屋のインテリアに合わせて選ぶことができます。

価格も3万円前後とお手頃ですので、日々の暮らしの中に伝統工芸品を交えたいといったときに手軽に取り入れることができるのも魅力のひとつとなっています。

鈴木茂兵衛商店Webサイト