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VRとは?

最近VRという単語をよく耳にするようになりました。VRとはVirtual Reality(バーチャル・リアリティ)の略で、日本語では「仮想現実」とも呼ばれます。

 

簡単に言うとVRというのは、「現実ではない空間を現実のように体感できる技術」のことです。ただ画面を見るのではなく、その世界に入り込んでいる感覚=「没入感」が与えられるのが特徴です。

その「没入感」を感じるためには、特別な装置が必要です。VR技術がまだ一般的に普及していないのは、本格的な装置が手に入りにくいという理由がありました。

 

しかし、来たる2016年はVR元年と呼ばれる年。VR専用のヘッドセットの販売が発表され、VR技術がより広がっていくと予言されています。

代表的なものは『Oculus rift』、そして、Sonyの『PlayStation VR』。ともに2016年前半に一般販売が始まります。

 

VRの応用技術

VRは、多くの人が期待を寄せる技術です。様々な場面での活躍が見込まれています。

様々な場面といっても、VR技術の使い道は大きく分けるとおよそ5つほどです。

 

  • エンターテイメント
  • シミュレーション
  • トレーニング
  • プロモーション
  • コミュニケーション

 

それぞれ、具体的にどんな場面で取り入れられているのか、わかりやすく説明していきます。

 

エンターテイメント

現状で一番影響を受けているのがこの分野です。リアルに体感できるということを利用して、楽しみの幅を広げています。

 

・ゲーム

9月19、20日に行われた東京ゲームショウ2015。中でも、今年の最大の目玉は、VRのヘッドセット『Oculus rift』や『PlayStation VR』を使ったゲームでした。

シューティングゲームや、RPG、そして恋愛シチュエーションゲームに至るまで。あらゆる世界観のゲームがVRになっていました。

東京ゲームショウは、ゲーム界の流行を予見します。これだけの盛り上がりが見れたということは、2016年にVRを利用したゲームが大流行することはほぼ間違いないでしょう。

 

・映画

『Oculus』の映像制作を専門に行っている『Oculus Story Studio』では、VR体験ができる映画『Lost』を制作しました。その経験を5つの提言として発表しています。

http://www.moguravr.com/oculus-story-studio-lost/

この提言をもとに、プロダクションは日々技術を高めています。映画が「観るもの」でなく、「入り込むもの」に変わる日は近いかもしれません。

 

・ライブ/コンサート

既に取り入れられ始めているのがこちら。

実際に行われているライブやコンサートを、360度撮影可能なカメラで撮影することで、360度の鑑賞が可能になっています。

VR技術があれば、アーティストの間近から演奏を楽しむことが、夢ではなくなるのです!

 

シミュレーション

VRでは、「現実でないもの」だけでなく、「これから現実になる得るもの」を体感することも可能です。

現実よりも安価に再現したい場面や、危険が伴うため現実で再現できない場面での利用が期待されています。

 

・自動車開発/建築

フォード・モーター・カンパニーやアウディでは、どのような車に出来上がるのかをVR技術を利用してシミュレーションしています。

https://gloverparkgroup.app.box.com/s/tcl4lguoqej11630ko6p

実際に作って再現するのでは、コストと時間がかかってしまいます。それらの削減のためにVRの技術を使うのはかなり有効です。

同様のシミュレーションは、建築分野でも行われています。内装をVRで再現し、体感しながら配置等を決めるのです。

この技術があれば、企業と顧客との意思の疎通が楽になりますね。

 

・宇宙

米航空宇宙局(NASA)とMicrosoftは、VR技術を利用して「OnSight」と呼ばれるソフトを開発しました。これによって、研究者たちが火星の様子を体感し、火星の探索計画をより検討しやすくするそうです。火星探索は2020年を予定しており、その頃までにさらにVR技術の進歩が見込まれています。

地球で再現できないことも、VR技術を使えば再現可能になる。それだけ革新的な技術なんだと、改めて感じされられます。

 

・防災

防災のシミュレーションは、建物の倒壊や津波の発生を再現するだけではありません。実際にその場に居合わせた人々の心理まで、シミュレーションする必要があります。そのために利用されているのが、VRの技術です。

VRで実際の災害を疑似体験してもらい、そのときの脳波を測定し、どのように行動するかを把握する。このデータが蓄積されれば、人災を防ぐことができるようになります。

http://www.civil.chuo-u.ac.jp/lab/keisan/VR_mini_museum/newpage1.html