201X年X月、ドール沼入りしました!と、友人がTwitterのプロフィールに書いていました。
そういえば、昔からお人形とか好きな子だったし、それにしても「沼」ってなんぞや・・・??
今回は、「球体関節人形」・・・いわゆるドールの奥深き世界にみなさまをご案内いたします。

 

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昔は、ドールといえばビスクドールでした。自分で粘土などを使って体を組み立て、頭を作り瞳を入れて、芸術的なアート作品をつくる!
そういう目的で、作られてきました。

今でこそ(お金に糸目をつけなければ)簡単に手に入るドールですが、自作するとなると話は別です。
簡単に作り方を説明しますと、

・まず、作りたい人形を、粘土で造形する。
→骨格に関わる部分なので重要です。人形の顔を丸顔にするのか?足の長さ、手の長さは?人によっては、角をつけたり、羽を生やしたり・・・ともかくそういう人形のベースとなる部分を、粘土で造形します。
関節などは別パーツ。なんていったって、「球体関節人形」なんですから。何十個ものパーツを、ひとつひとつ造形します。

それを組み立てて、おしまい?
・・・そうは問屋がおろしません。この粘土で造形された土台は、あくまで土台。これを使って・・・

 

・石膏などで型をとります。
など、というのは今はソフビ製の人形もあるのでぼかしましたが、昔は石膏でした。彫刻とか作るアレですね。

 

・かたをとったら、そこにラドール(美術用の粘土など)をながしこむ!
そしてそのあとは・・・

 

・窯で焼く!

え!窯とか家にないんだけど!
というところで高校生の私は挫折しました。笑

窯で焼いても、想像通りのものになるとは限りません。温度の具合で、割れたり、ヒビがはいったり・・・なんか陶芸みたいですね。

 

・やっと素体が完成!これを組んだらおわり?
・・・・・・ってそんなわけがない。まず、頭の部分。球体関節人形の作家さんは、だいたい「グラスアイ」をつかっています。つまり、頭の目になるぶぶんに穴をあけて、(しかもきれいに)そこに、ガラスなどで加工したアイをはめこまなきゃいけないんですね。

 

・ちょっとまった!アイをはめ込む前に・・・
そう、人形はまだ、アイホールがあいたばっかり。眉もなければ、くちもない、のっぺらぼう!
なので、面相筆とか画材を使って、メイクをしていきます。
このメイクが、たとえば同じヘッドを使っても、人によって個性がでて楽しいです。
ボークス社さんのドールでも、同じ○番ヘッドなのにメイクでここまで変わる!?っていうのを目にしたことがあります。

ということで、一般的に、「キャストドール」が普及するまでは、もう一部のマニアさんがやっている、アングラ中のアングラ、サブカルの極みのような趣味でした。

 

そして日本では、恋月姫という球体人形作家が誕生しました。
10年くらい前に女子高生だった人、そしてサブカルが好きだった人はきっと御用達だったであろう、ヴィレッジヴァンガード。
そこで恋月姫さんの写真集がおいてありました。
時代は、ゴスロリブーム。ゴスロリ、ビスクドール、お人形!
時代も味方して、その恋月姫さんの写真集はすぐ有名に。

 

ドールが趣味のお友達さんがいらっしゃるかたは、ぜひ聞いてみてください。
「ドールにはまったきっかけは?」って。
ゴスロリ好きな人なら「恋月姫さん。」って言う人多いんじゃないかな・・・あくまで私の身内ではですけど・・・
(ちなみにドールは所持してないゴスロリっこの友達も、恋月姫さん知ってました)

 

そのあたりから、上記の方法でドールを作っていた人たちが、裾野を広げようとしたのか「基本キット」を売る人が増えました。
私も、親戚に勧められたのが「コッコドール」さん。
コッコドールさんでは、目をあけ、メイクをし、あと関節とかをちゃんとはめたりして糸を通せば人形になるよ!っていうかんじの・・・
つまり、窯で焼いたりする必要のないキットを販売してくれていました。
でも、ドールを広く一般に膾炙したのはやっぱり
「キャストドール」「スーパードルフィー」の普及からではないでしょうか。

 

最大手はボークス社
ボークスに非ずものドールに非ず。という文言がありそうなぐらい(ないですけど)ドールと言えばこのボークス社のものを指します。
スーパードルフィー、略してSDと書けば「あ、友人もはまってる」と見覚えのある方はいるのではないでしょうか。
実際筆者も「ドール」と聞いて頭に浮かんだお人形は、ボークス社のものでした。別の友人がすでに沼入りしてたんですね。笑

 

価格は4万円前後のコーディネートモデル(すでに組み上がってメイクもされているもの)から、9万前後のフルチョイスモデル(自分で人形の「型」から選んで、メイクもチョイス・・・自分だけの一体ができる!)までいろいろでした。
他にもワンオフモデルなるものがあって、オークションとかで高値で取り引きされているのはこちらが多いです。
ワンオフモデルは、イベントの時に抽選販売されます。この子がほしい!とおもったら抽選箱へ・・・倍率何倍なのでしょうか。
以前ローゼンメイデンとコラボした「水銀灯」や「真紅」のスーパードルフィーが、ヤフオクで100万越えてるのを見たことがあります。
車が買えそうですね・・・・・・。
ボークス社のいいところは、「天使のすみか」というドールを買える支店が多く、地方にいても実際目で見て選べるところ。フルチョイスも、わざわざ東京まで行かなくても大丈夫です。
あとは万全なカスタマーサービス?ボークス社のドールなら、天使のすみかや天使の窓の撮影スペースを無料で使うことができますし、「最近関節がゆるいわ・・・」という悩みにも、相談に乗ってもらうことができます。(だいたいは、「里帰りエステ」・・・つまりリペア?になるそうです。)
ボークスさんは最大手なので、たとえば○番のヘッドの子がいい!ってなるとカウンターでフルチョイスの相談に乗ってくれたりするところがいいですね。
(店舗もいっぱい、需要もいっぱいだから、きっと大量生産してるんだろうなぁ・・・なんて)
海外ドールも侮れない。
最近は海外のドールも増えてきました。ケンタウルスの形のドール(いわゆる四つ足系)や、ネコミミやウサミミのドールなど。
あとはちょっとホラーな縫い目メイクがしてあるドールがあったり、癖の強い子が多いです。
ネコミミかわいいですね。

ボークス社主催のイベントでは海外ドールの持ち込みができません。
最初は、「けちくさいこというなぁボークス・・・」と思っていたんですが、調べて理由がわかりました。
「リキャスト品」があるからだそうです。
リキャストというのは、ボークスの商品から型をとって、(そう、自作の人形だと土台になる粘土で作る部分を、ボークスの人形でやっちゃうんですね。画期的!著作権侵害だけど・・・)あたかも自社製品のように制作したもののこと。
スーパードルフィーとにたような名前をつけてあたかも本物のように思わせて、買った本人はスーパードルフィーのつもりだからボークス社に問い合わせて発覚!なんて事例があります。
怖いですね。

なので、海外のドールを選ぶときは、DOLK(店舗も構えている海外などのドール販売店)などを通して選ぶのがおすすめです。
海外ドールは値段が安いのと、個性が強いのが強みですね。
安いものだと3万円前後で買えちゃったりします。

 

 

私も2体目は海外ドールを買おうかな?と・・・・・・
・・・2体目?って思った人。ありがとうよく記事を読んでくれて。

 

そうなんです。
ドール沼入りした友人に引きずり込まれる形で、私も沼入りしちゃいました。
まあつまり上の説明はだいたい私が店の人とかから聞いたことです。
あとは昔ドールほしすぎて調べまくった昔とった杵柄というか・・・。

そして、出会ってしまったんです。私の最愛のドールに。