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「プロパガンダ」とは

みなさんは、「プロパガンダ」という言葉の意味をご存知でしょうか。テレビやネットで目にすることはあるものの、はっきりとした意味は知らないという方も多いかと思います。「プロパガンダ」とは、簡潔に言えば宣伝のことです。特に、ある政治的意図のもとに主義や思想を強調することを目的とした宣伝を指します。

「プロパガンダ」は、主義や思想の宣伝であるため、一般的に考えの「押しつけ」の手法だとか、「刷り込み」の手法だと捉えられがちです。しかし、社会運動や政治活動を行う上で、その個人や団体の主義・思想を表明することは不可欠です。言葉などによって、民衆の感情や情緒に訴えかけて、アジテーション(煽動)をする。そして、集まった人々の「不安や不満」というものが一つの運動として形作られ、政府に訴えを投げかける。このようなサイクルで民衆が政府を監視し、政府の暴走を止めるということが民主主義の根本だとされています。

つまりはこの運動の入り口である、民衆への認知は「プロパガンダ」が担っているわけです。そのため、「プロパガンダ」をただの宣伝として捉えるよりは、政治的な「メッセージ」として捉える方が正しいと言えます。

 

話題の「プロパガンダ」動画

「プロパガンダ」の手法の中で主要なもののひとつに、動画を使った「プロパガンダ」があります。

最近日本では、安保法案に対する社会運動が話題になっています。特にメディアを騒がせている団体のひとつに『SEALDs』という学生団体があります。

引用

【#本当に止める】6分でわかる安保法制

SEALDs FKA SASPL

『SEALDs(シールズ:Students Emergency Action for Liberal Democracy – s)』は、安倍首相の憲法観に対して危機感を覚えた学生らが、2015年5月に前身であるSASPLから発足させた団体です。発足直後からその斬新な運動やデモは話題となり、メディアを騒がせました。

注目されたもののひとつに『SEALDs』がYoutubeを介して配信していた、「プロパガンダ」動画もありました。上の動画は、安倍首相の安保法案を批判する立場からわかりやすく解説をしています。

他にもデモ行進やスピーチを収めた動画が多く配信されています。この全てがオシャレで洗練された雰囲気をまとっており、瞬く間に若者に向けてのブランディングに成功したのです。その結果、若者の琴線に触れる「プロパガンダ」となり、『SEALDs』は日毎に規模を拡大しています。

 

『SEALs』のように人々の心に伝わった「プロパガンダ」もあれば、物議を醸してしまった失敗例の「プロパガンダ」もあります。

それがこちら。

自民党が安保法制について解説した解説動画「教えて!ヒゲの隊長」という動画です。自民党でヒゲの隊長と呼ばれている佐藤正久参議院議員が、女の子の質問に答える形で安保法制を解説しています。この動画で話題になったのは、ただ単純に解説が進むのではなく、最後に話の結末がうやむやになってしまうという点です。「徴兵制は絶対にありえない」と言い切った後に、その続きを告げることなく、ヒゲの隊長は去って行ってしいまうのです。

 

これに反応したネットユーザーがこんな動画をアップロードしました。

自民党の動画をパロディした「教えてあげる!ヒゲの隊長」という動画です。登場する女の子が、ヒゲの隊長に安保法制について逆に解説するというかなりシニカルな内容になっています。「(安保法案のことを)真剣に考えている割には、真剣に国民に説明する気はなさそう」と痛切に批判しています。

「プロパガンダ」はメッセージです。しかしそのメッセージを中途半端に発信してしまうことで、誤解や物議を呼び起こしてしまうことがあります。ネット社会になった今、情報の拡散は一瞬にして行われます。誤ったメッセージを一度発信してしまうと、取り返しのつかないことになることは言うまでもありません。

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さえがみ
迷える就活生WEBライター。 大学で専攻している社会学や、いろんな現場に潜入して得たことを中心に記事の執筆をしています。趣味は映像制作とノマドカフェ探索、飲み歩き。 社会学/教育学/メディア論/都市論/受験/就活/映像制作/サブカル/マンガ/音楽/映画/カフェ/酒/温泉 http://uraomote.hatenablog.com/