高橋さん「じゃあ、次はここまで登ってきて」
ヴィスコ「え?どうやって登るんですか?」
高橋さん「カニ歩き」
ヴィスコ「マジかよ。普段、そんな運動しないからキツイんですけど」
高橋さん「リフトもあるんだけど、それは中腹まで行っちゃうから。それに使い方にもコツがあって、最初はカニ歩きで登るしかないよ」
ヴィスコ「ふくらはぎへの負担が半端じゃないです。日頃の運動不足解消には打ってつけだな、これ」
高橋さん「そうそう。全身の筋肉を使うから、運動量は多いよ」
ヴィスコ「着いて早々なんですかこれ?山の神に祈りを捧げる儀式的なやつ?」
高橋さん「次は曲がり方。ここで大切なのは姿勢だね。っていうか、グラススキーは姿勢が重要だから」
ヴィスコ「なるほど。で、このポーズには何の意味が?」
高橋さん「曲がるためには色々な要素があるんだけど、まずは一番カンタンなのからいこう。上体、つまり腰より上をグッと曲がりたい方向に回す。すると、向いた方へ曲がるから」
ヴィスコ「え、本当ですか」
高橋さん「この時、ひねりが足りないと曲がれないからね」
ヴィスコ「曲がれないと何が困るんですか」
高橋さん「まずスピードが出過ぎちゃう。それにグラススキーはスキー(板)を八の字にしてブレーキができないから、曲がることで速度を抑えないといけない。曲がれないと、それだけ危険度が増すってこと」
高橋さん「で、滑り出す時のやり方なんだけど」
ヴィスコ「またしてもかっこ悪いポーズ」
高橋さん「嫌ならやらなくても大丈夫だよ。その代わり下の方へ板を向けた瞬間、そのまま滑り出しちゃうけどね」
ヴィスコ「ぜひ、やらせていただきます」
ヴィスコ「なんじゃこりゃ!腕に負担がかかりまくって、体がプルプルする!」
高橋さん「もっとストックを前に突いた方がいい。その姿勢、相当キツイでしょ」
ヴィスコ「も、もうだめです…限界だぁ!」
ヴィスコ「うわぁあぁぁぁあ!」
ヴィスコ「あぁぁぁあぁぁあ!」
ヴィスコ「Nooooo!」
ヴィスコ「んあー!」
ヴィスコ「…」
ヴィスコ「さて、そろそろ本番いくか」
カメラマン「転けた写真はバッチリ撮ってあるっすけどね」
ヴィスコ「うっさい!でも思ったほど痛くなかった。ただスピードが出たら危険っていうのはよくわかった。曲がることを覚えないと、まともに滑ることができないね」